理事長挨拶

沈下修正業界のベンチマークへ

「沈下修正」を目的とした工事があることはご存知でしょうか。これは、地震災害など何らかの原因で傾いてしまった建物を水平に修正する工事のことです。当工事は、施主にしてみれば、予期せぬ工事費用がかかり、工事中は少なからず迷惑がかかることになります。よって、沈下修正工事は、再沈下が生じない工事を心掛けることは勿論ですが、適正な工事費用であるか根拠をもって説明することも重要だと考えています。

しかし、この「沈下修正」は、統一された明確な技術基準や見積基準が存在せず、各社の独自基準で設計・見積が行われ、発注者(公共団体・法人・個人等)が疑問に感じても、適正な判断ができないのが実状です。

そのような問題に立ち向かうため、今回、優良な沈下修正業者有志が集まり、「一般社団法人建物沈下修正業者連合会(以下「連合会」)」を立ち上げました。当連合会は、工事技術基準や見積基準を整備しながら、沈下修正業者の資質向上・技術向上を支援するとともに、様々な沈下修正工事に関する技術的な疑問や工事費等の相談を、発注主からお受けする第三者機関の相談窓口として活動します。そして沈下修正業界のベンチマークとなりうる団体として活動していきたいと考えています。

二度と建物が傾くことのない沈下修正工事を安心して依頼できる世の中になるよう、当連合会はこれからも挑戦を続けてまいります。

2021年9月

一般社団法人 建物沈下修正業者連合会
理事長 高田 徹